泥の河

画像
 小栗康平監督の『泥の河』を観た。
 1981年に製作された小栗康平監督としては劇場用の初回作品である。戦後10年を経た昭和30年の大阪の運河地帯を舞台に、二人の少年の出会いと別れの哀切が描かれている。

 あ、この場面、普通の映画だときっとこういうふうに展開していくなあ、という場面でもこの映画ではそうはならない。実社会ではまず普通の映画のようには展開しない。映画でのシーンが切り替えられるところなど、実にリアル。音楽もいい。

 台詞も少なめで静かな進行。展開に無理がないからその分、主人公たちの心を推し量る気持ちのゆとりができる。見終わった後、ラストの余韻にひたるもよし、ひとり静かにもう一度全体を振り返って見るのもよし。
 
 海外の映画祭で評価が高かったと聞いてうれしかったとともに、いかにも日本的な情緒を日本人が見逃して、外国で評価されるという事実に複雑な気持ちになりました。

 『埋もれ木』で初めて小栗康平監督を知り、『泥の河』で、監督のファンになりました。

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック